丁寧な対応で最適な商標登録をご提案いたします

1
Jul
2017

夏季休業のお知らせ【2017】

カテゴリー: お知らせ

平素は弊所サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら、弊所では下記の日程において、夏季休業とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。

■■夏季休業期間■■

 2017年8月11日(金) から 2017年8月15日(火) まで

 ※ 上記期間中もインターネットからのお問い合わせは受け付けて
   おりますが、ご連絡に対するお返事につきましては、
   2017年8月16日(水)以降の対応とさせていただきますので、
   あらかじめご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

今後とも、格別のご支援、お引立てを賜りますようお願い申し上げます。

23
Jun
2017

「チバニアン」

カテゴリー: 商標出願

千葉県市原市には、地質時代のうち更新世の前期と中期の
境界(約77万年前)を示す「千葉セクション」という地層
があるそうです。

今般、研究グループが、この地層について、国際標準模式地
に認定されるよう申請書を提出しました。

審査の結果、千葉セクションが模式地に選定された場合は、
約77万年前~12万6千年前の地質時代が「チバニアン」
という名称になるとのことです。

しかしこの「チバニアン」という名称、
千葉県市川市の個人の方が2016年8月に商標出願し、
2017年3月には商標登録されておりました。

指定商品は、
  第14類の「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,
       キーホルダー,宝石箱,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」

  第16類の「紙類,文房具類,印刷物,書画」

  第28類の「おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,囲碁用品,
       チェス用品,運動用具,釣り具」


指定商品に「印刷物」が含まれているため、
研究グループが、「チバニアン」というタイトルの
雑誌や定期刊行物を発行した場合、商標権侵害に
該当する可能性があります。


自社で先に使用している商標が、同じような商品・役務について、
第三者によって商標出願されてしまった場合、
その商標が有名になっていれば、第三者の出願した商標は、
有名な商標に類似するという理由で、登録にはならないと考えられます。

しかし、自社で使用している商標が有名とまではいえない場合
いくら自社の方が先に使用していたとしても、先に出願した
第三者の商標が登録されてしまいます。

日本の商標制度では、先に使用していたかどうかではなく、
先に出願した者に登録を認める、先願主義をとっているからです。



商標登録されるためには、上記以外の条件もクリアする必要がありますが、
この「チバニアン」の場合、少なくとも、登録の決定の際、
研究グループの「チバニアン」が有名になっているとは判断されなかった
ということになります。


先に商標登録されて、使えなくなった…ということにならないよう、
使用したいネーミングについては、
できるだけ早い段階で、商標登録しておくことをおすすめいたします。

特に、取材やプレスリリース等、
外部に公表する前に出願をしておかれた方がよいでしょう。

先日、「直虎」の商標登録をめぐるニュースを耳にしました。

今年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台となる浜松市とその商工会議所が、
「直虎」の商標登録に対し、異議を申し立てたというものです。

では、歴史上の人物名は、商標登録できるのでしょうか?

特許庁の基準では、歴史上の人物名からなる商標の審査では、
以下のような事情を総合的に勘案し、その商標を使用すること、商標登録することが、
社会公共の利益に反する場合や、社会の一般的道徳観念に反するような場合は、
登録されない場合があるとしています。

  • (1)当該歴史上の人物の周知・著名性
  • (2)当該歴史上の人物名に対する国民又は地域住民の認識
  • (3)当該歴史上の人物名の利用状況
  • (4)当該歴史上の人物名の利用状況と指定商品・役務との関係
  • (5)出願の経緯・目的・理由
  • (6)当該歴史上の人物と出願人との関係

また特に、
「歴史上の人物の名称を使用した公益的な施策等に便乗し、その遂行を阻害し、
公共的利益を損なう結果に至ることを知りながら、利益の独占を図る意図をもってした」
商標出願については、公正な競業秩序を害するものであって、
社会公共の利益に反するものであるとして、登録を認めないとしています。


つまり、歴史上の人物名についての商標は、
その人物名を一私人、一企業に独占させることが、社会公共の利益に反するような場合、
登録できないと判断されるといえます。

浜松市が異議を申し立てた「直虎」は、
長野県須坂市の醸造会社が「みそ」等について出願し、登録されたもの。

登録が認められた背景としては、
「直虎」は、「井伊直虎」のほか、須坂藩の藩主「堀直虎」としても知られており、
「直虎」といえば「井伊直虎」、として一般に広く知られているとまではいえなかった、
という事情があったように思います。

歴史上の人物名についての商標は、一律に登録されないというわけではなく、
商標の態様やその人物の有名性の程度、登録を受けようとする商品等を総合的に考慮して、
登録が認められるかどうかが判断されるといえます。

他人の氏名を含む商標は、その他人の承諾を得ていないと商標登録できないって知っていましたか?

今回は、「山岸一雄大勝軒」、「山岸一雄」という商標の登録が認められなかった事件を
ご紹介いたます(平成28年(行ケ)第10065、10066号 審決取消請求事件)。

これらの商標を出願したのは、株式会社大勝軒。特許庁の審査、審判において登録が認められなかったため、
これを不服として知財高裁で争いましたが、知財高裁でも、商標登録は認められませんでした。

登録が認められなかった理由は、商標法4条1項8号に該当するというもの。

商標法4条1項8号では、
『他人の氏名を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録できない』、
と規定されています。

これは、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない、という、
人や法人の氏名、名称等に対する人格的利益を保護するために設けられているものです
(人格権を保護するためのものですので、この「他人」は、現存する者に限られるとされています)。

株式会社大勝軒は、大勝軒の創業者として知られている山岸一雄氏の承諾のもと、
商標出願を行ったようですが、NTT東日本、西日本作成の「ハローページ」での記載を根拠に、
山岸一雄という氏名を持つものが、全国に複数生存しており、その承諾は得ていない、
として、商標法4条1項8号に該当すると判断されました。

商標法4条1項8号で登録できないとされているのは、他人の氏名だけではありません。

  • 他人の肖像、
  • 名称、
  • 著名な雅号(画家、書家などが本名以外につける名)、
  • 著名な芸名、
  • 著名な筆名(ペンネーム)、
  • 又はこれらの著名な略称を含む商標

は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録できないとされています。

例えば、「HILTON’S」のように、有名な会社名の略称を含むような商標も、
この規定により、商標登録できないと判断される可能性があります。

また、自社の商号を商標出願した場合でも、同じ商号の法人が全国に複数ある場合は、
この規定により、商標登録できないとされる可能性がありますので、注意が必要です。

先日、不正に改造したiPhoneを販売したとして、商標法違反の疑いで20代の男性が逮捕されたというニュースを耳にしました。

報道によると、今回販売されたのは、いわゆる「脱獄」したiPhone。

「脱獄」とは、iPhoneのiOSを改造して機能制限を解除することで、脱獄すれば、App Storeにない非公式アプリを利用することもできるようになるとのことです。

もちろん、Apple社は「脱獄」を認めていません。

不正に改造したiPhoneでも、もともとは、アップル社から購入したものです。

ではなぜ、不正に改造したiPhoneを販売すると、商標権侵害になるのでしょうか。


商標には、同じ商標が付された商品は同じ提供元のものであるという、商品の出所を表示する機能(出所表示機能)、同じ商標が付された商品は同じ品質であることを保証する機能(品質保証機能)があります。


例えば、消費者は、スマートフォンに表示されたりんごのマークをみて、それがアップル社の商品であると理解しますし、りんごのマークが付されたスマートフォンを見れば、消費者は、あの品質の商品だな、と考えます。

今回の事件のように、りんごのマークやiPhoneの表示がついたままで、権利者の許諾を得ずに、不正に改造したiPhoneを販売することは、商標の品質保証機能を害することになりますので、商標権侵害であると判断されたものと思われます。

通常、権利者により正規のルートで販売された商品をそのまま転売する場合は、商標権侵害にはなりません。
しかし、今回の事件のように、権利者の意思に基づくことなく、もとの商品に改造を加えて販売した場合は、商標権侵害と判断される場合があります。


また、その他にも、
もとの商品に付された商標を剥奪抹消した商品(もとの商標を消した商品)を販売する行為や、
権利者の意思に基づくことなく、もとの商品を小分けにして販売するような行為は、
商標権侵害と判断される場合があります。

※「iPhone」は、Apple Inc.の商標です。

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