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「一出願多区分」の出願と「一区分毎に複数の出願」はどちらが有利か?

【商品・役務の区分・類似群コード】

一出願多区分制とは?

商標出願をする際には、願書に、商標を記載するだけでなく、その商標を使用する商品・役務(サービス)も指定する必要があります。

その商品・役務を分類したものが、「区分」です。

商標出願をする際には、1つの出願で、複数の区分の商品・役務を指定することができます。

例えば、第9類「電子出版物」と第16類「印刷物」の2つの区分を指定して、1つの商標出願をすることができます。

平成9年4月より前は、1つの出願で複数の区分を指定することは認められておらず、1つの出願で1つの区分しか指定することができませんでした。

平成8年の商標法の改正により、平成9年4月1日以降は、1つの出願で複数の区分を指定して、商標出願をすることができるようになりました。


一出願多区分で出願した場合のメリット

複数の区分について商標登録をしたいような場合、区分ごとに別々の出願をするのではなく、一つの出願とすることができます。

上の例でいえば、第9類「電子出版物」と第16類「印刷物」について、1つの出願で1つの区分を指定した2つの商標出願とするのではなく、

第9類「電子出版物」と第16類「印刷物」の2つの区分を指定して、1つの商標出願とすることができます。

その結果、区分ごとに複数の出願をした場合と比べ、特許庁へ支払う特許印紙代や、特許事務所へ依頼した場合の手数料などのトータル費用をおさえられます。

また、区分ごとに複数の出願をした場合は、出願ごとに、商標登録の更新などの手続きを行う必要がありますが、複数の区分を指定して1つの出願にした場合は、更新の手続きも1つですみます。


一出願多区分で出願した場合のデメリット

一方、複数の区分の商品・役務を指定して、1つの出願とした場合のデメリットは何でしょうか。

考えられるデメリットとしては、

複数の区分の指定商品・指定役務のうち、一部の区分の指定商品・指定役務に拒絶理由があり、残りの区分の指定商品・指定役務に拒絶理由がなかったような場合・・・

拒絶理由がない区分についての商標登録が遅れることがある、
または、
残りの区分も含めて拒絶されてしまう場合がある、

ということです。



複数の区分の指定商品・指定役務のうち、一部の区分の指定商品・指定役務に拒絶理由がある場合、

拒絶理由のある指定商品・指定役務を変更する補正を行うことが考えられます。

この場合、拒絶理由がない場合に比べ、登録までに時間がかかってしまいます。

また、もし拒絶理由が解消していないと判断された場合は、拒絶理由のない『残りの部分』も含めて拒絶されてしまう点に注意が必要です。



もう一つの方法として、拒絶理由のある指定商品・指定役務を削除する補正を行うことも考えられます。

ただし、削除してしまった部分については、権利化できなくなってしまいますので、拒絶理由のある指定商品・指定役務についての権利化を図りたい場合は、拒絶理由のある指定商品・指定役務を削除した上で、削除した指定商品・指定役務について分割出願を行うという方法が考えられます。



分割出願を行った場合、通常の出願と同程度の費用がかかりますので(特許事務所へ依頼した場合の手数料は特許事務所によって異なります)、トータルでみると、かえって費用がかかってしまうという場合もありえます。

一出願で多数の区分を指定したい場合は、出願前に十分な調査を行い、権利化が難しそうな区分がある場合は、その区分のみ別の出願とするといった選択肢もあるかもしれません。



このようなデメリットはあるものの、複数の出願をした場合の費用や労力の負担を考えると、1つの出願で複数の区分の商品・役務を指定する方が、上記のような特殊なケースを除いて、総合的にみて好ましいのではないかと思います。

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