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商標登録の基礎知識

色彩のみからなる商標(色彩商標)とは?

法改正により、色彩のみからなる商標(色彩商標)について、 商標登録ができるようになりました

平成26年の商標法の改正により、これまで商標として登録し保護することができなかった、色彩のみからなる商標(色彩商標)について、商標登録をすることができるようになりました。

 

この商標法の改正は、平成27年4月1日から施行されています。

 

法改正の前から、図形等と色彩が結合した商標は、商標登録の対象となっていましたが、図形などとは関係なく、色彩のみからなる商標も、商標登録が可能となりました。

 

私たちが、日頃、頻繁に目にするような商品、例えば、コカ・コーラを思い浮かべてください。

コカ・コーラといえば、パッケージは何色でしょうか。

 

そう、赤色です。

一部、他の色を使っている商品もあるようですが、基本的には赤色です。

 

ペットボトルの中に黒い液体が入っていて、ラベルも赤色、キャップも赤色の商品があったとします。

 

仮に、ラベルの文字が見えなかったとしても、多くの人が、「この商品は間違いなくコカ・コーラだろう」と考えるのではないかと思います。

ラベルとキャップがピンク色であれば、そうはいかないでしょう。

 

このように、同じ商品に同じ色を使い続けていれば、その色が特定の商品についてのものだと消費者も認識するようになります。

 

このような色彩に発生した信用力を商標登録として保護するために、色彩のみからなる商標について商標登録が認められるようになりました。

色彩商標を出願する場合の願書の記載方法

色彩のみからなる商標を出願する場合、商標出願の願書に、色彩名(例えば、赤色など)と、三原色(RGB)の配合率や色見本帳の番号を記載して色彩を特定します。

 

例えば、以下のように記載します。

 【商標登録を受けようとする商標】

色彩のみからなる商標―単色

【色彩のみからなる商標】

【商標の詳細な説明】

商標登録を受けようとする商標は、色彩のみからなる商標であり、青色(RGBの組合せ:R0,G0,B255)のみからなるものである。

 

 色彩のみからなる商標には、単色の色彩のみからなる商標だけでなく、複数の色彩の組合せからなる商標も含まれます。

 

複数の色彩の組み合わせからなる商標の場合は、色彩名やRGBの配合率だけではなく、各色の配置や割合などを、商標出願の願書に記載をします。

例えば、以下のように記載します。

 

 【商標登録を受けようとする商標】

色彩のみからなる商標―三色

【色彩のみからなる商標】

【商標の詳細な説明】

商標登録を受けようとする商標は、色彩の組合せからなる色彩のみからなる商標である。色彩の組合せとしては、赤色(RGBの組合せ:R255,G0,B0)、青色(RGBの組合せ:R0,G0,B255)、黄色(RGBの組合せ:R255,G255,B0)であり、配色は、上から順に、赤色が商標の縦幅の60パーセント、同じく青色25パーセント、黄色15パーセントとなっている。

 

色彩の商標について商標登録が認められない場合とは

ただ、どんなものでも商標登録が認められるわけではないようです。

 

商品等が通常有する色彩のみからなる商標については、商標法3条1項3号(商品の特徴等を普通に用いられる方法で表示する商標)に該当するものであり、商標登録は認められないと判断されます。

 

例えば、以下のような場合は、商標登録は認められません。

 

  • 指定商品「木炭」について「黒色」の商標
  • 指定商品「自動車用タイヤ」について「黒色」の商標
  • 指定商品「携帯電話機」について「シルバー」の商標
  • 指定商品「コップ」について「黄色、緑色、赤色の縦のストライプ」の商標

 

また、以下のような場合は、商標法3条1項2号により、商品について慣用されている商標に該当するものであり、商標登録は認められないと判断されます。

 

  • 役務「婚礼の執行」について「赤色及び白色の組合せ」の商標
  • 役務「葬儀の執行」について「黒色及び白色の組合せ」の商標

 

実は、これだけじゃないんです。

 

商標法3条1項2号、3条1項3号に該当しない場合でも、色彩のみからなる商標は、商標法3条1項6号により、需要者(消費者、取引を行う事業者)が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないとして、商標登録は認められません。

 

つまり、一部の例外をのぞき、原則的には、色彩のみからなる商標は、商標登録が認められないようです。

色彩商標が商標登録されるための要件は?

それでは、どういうものであれば、商標登録が認められるのでしょうか。

 

商標法によると、その商品について、商標登録を受けようとする色彩が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる場合に、色彩のみからなる商標について、例外的に商標登録が認められます。

 

つまり、その色彩が、或る商品について使用された結果、その色彩が使用された商品が特定の事業者のものであると、需要者の間で全国的に認識されているようになった場合に、商標登録が認められるということになります。

 

ですから、全国的に知られたものでなければ、商標登録は難しいようです。

 

色彩商標について、商標登録を認めるかどうかについては、例えば、以下のような事項が考慮されます。

 

  • その色彩商標の使用数量(生産数、販売数等)、使用期間、使用地域
  • 広告宣伝の方法、期間、地域、規模
  • 商品又は役務の性質、その他の取引の実情
  • 需要者の商標の認識度を調査したアンケートの結果

このようにして、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる場合(識別力がある場合)に、色彩商標について商標登録が認められるわけですが、これらの要件以外にも、他社の登録商標に類似していないか等も判断のうえ、最終的な審査の結果がだされることになります。

 

参考文献:商標審査基準

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