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二段書き商標のメリット、デメリット

【その他 商標関連】

二段書き商標のメリット

漢字とアルファベット、漢字とひらがな、または、カタカナとアルファベットを、二段に書いて、商標登録をすることがあります。

例えば、こんな感じです。

【例 1】
商標の二段書き-例




ここでは、「ライトハウス\LIGHTHOUSE」と書きます。

この「ライトハウス\LIGHTHOUSE」のように、二段書きをするメリットは何でしょうか。

一番のメリットは、費用です。

商標「ライトハウス」と商標「LIGHTHOUSE」の2件を商標登録する場合に比べ、特許庁へ支払う特許印紙代も約半分ですみますし、特許事務所に依頼をしている場合は、特許事務所の手数料も抑えることができます。

二段書き商標のデメリット

それでは、二段書き商標で商標登録する場合のデメリットは、何でしょうか。

例えば、以下みたいな商標を考えてみて下さい。

【例 2】
商標の二段書き-例 山河\SANGA




商標「山河」と商標「SANGA」の2件を、1件にまとめて、商標「山河\SANGA」としたものです。

ここで、「山河\SANGA」で商標登録をした場合に、他社が「ヤマカワ」を使用していたとします。

「山河\SANGA」はその読みが「サンガ」ですので、「山河\SANGA」と「ヤマカワ」は類似していないと判断される可能性があります。

つまり、「ヤマカワ」の使用が、商標権の侵害とならない可能性があるということです。


では、「山河\SANGA」ではなく、「山河」で商標登録をしていた場合は、どうでしょうか。

「山河」は「サンガ」だけでなく「ヤマカワ」と読むことができますので、「山河」と「ヤマカワ」は類似していると判断される可能性か高いと考えられます。

つまり、「ヤマカワ」の使用が、商標権の侵害となります。

このように、二段書きの商標について商標登録をすることで、1件1件、別々に商標登録をしていれば、商標権侵害となっていた他社の商標について、商標権侵害が認められなくなる場合があります。

デメリットは、これだけではありません。

日本の商標制度では、商標登録されてから3年が経過した後に、その商標を使用していない場合、第三者が特許庁に対して不使用取消審判を請求することで、商標登録を取り消すことができます。

例えば、以下みたいな商標が、商標登録されているとします。

【例 3】
商標の二段書き-例 MOBILE\モビーレ




商標登録されてから3年が経過した後に、商標権者が「MOBILE\モビーレ」ではなく、「MOBILE」を使用していた場合、「MOBILE\モビーレ」と「MOBILE」は異なるものと判断される可能性があるのです。

「MOBILE\モビーレ」のうちの「MOBILE」の語は、「可動性の」という意味の英単語として日本でもよく知られています。

これに対し、「モビーレ」は、特に意味合いのない造語であると考えられます。

このように、上段の語から生じる意味合いと下段の語から生じる意味合いが同じでない場合、上段の語「MOBILE」又は下段の語「モビーレ」の片方だけを使用することは、登録商標「MOBILE\モビーレ」を使用していることにはならない、と判断されるのです。

そのように判断された場合、登録商標が使用されていないとして、登録の取消しになります。


このようなケースって、十分に、起こり得るんです。

もともと「MOBILE」と「モビーレ」で使用しており、費用を抑えるために「MOBILE\モビーレ」で商標登録をしたわけですから、登録から3年後も二段書きの一方だけを使用している、ということが、往々にしてあります。

もし、「MOBILE」、「モビーレ」の両方で商標登録していれば、このようなことは起こりません。

このように、二段書きの商標について商標登録をすることで、不使用取消審判により取り消しとなる場合があります。

二段書きにせずに、どちらか一方の商標のみを出願した場合は?

例えば、「ライトハウス\LIGHTHOUSE」とせずに、「ライトハウス」または「LIGHTHOUSE」のどちらか一方のみを出願することも考えられます。

「ライトハウス」と「LIGHTHOUSE」は称呼(読み方)が同じであり、類似する商標といえますので、仮に「ライトハウス」のみを商標登録していた場合でも、

「LIGHTHOUSE」を使用している他者に対して商標権を侵害していると、主張することができると思われます。

「ライトハウス」で出願をするか、或いは、「LIGHTHOUSE」で出願をするかについては、

  •  使用の頻度が高いのはどちらの商標か?
  •  商標登録が認められやすいのはどちらの商標か?

などを、総合的に考慮します。



ただし、「MOBILE\モビーレ」とせずに、「MOBILE」または「モビーレ」のどちらか一方のみを出願した場合は、問題ありです。

「MOBILE」と「モビーレ」は読み方が異なり、類似しないと判断される可能性がありますので、自社で「MOBILE」のみを商標登録していた場合に、「モビーレ」について他社に商標登録されてしまう可能性がありますし、他社が「モビーレ」を使用していても、商標権侵害が認められない可能性もあります。


二段書き商標は、総合的に見て有利か?

上で書いたように、二段書き商標のメリットは、2件の商標出願をした場合に比べ、費用が抑えられることなのですが、問題が発生することがあります。

個人的には、抑えられる費用に比べ、デメリットの方が大きいのではないかと思います。

多数の商標を出願する必要がある場合は、二段書き商標で出願をするという選択肢もありますが、

重要な商標については、二段書きをせずに、1件1件出願をするのが良いのではないかと思います。

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