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商標登録の基礎知識

書籍のタイトル「吾輩は猫である」は商標登録できない?

本のタイトルは、商標登録できる?

本のタイトルは、商標登録をすることができるでしょうか。

 

一般的には、本のタイトル(書籍の題号)は、商標登録をすることができないとされています。

 

商標は、商品が特定の出所から提供されたことを表示する役割や、自社の商品を他社の商品と区別する役割を有するものですが、書籍のタイトルは、その書籍の内容を表すものであり、商標が有するような役割を有しない、と考えられているからです。

 

例えば、「吾輩は猫である」という書籍のタイトルを聴けば、

書き出しが「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」から始まる、猫の視点で人間模様を描いた小説であるということを、多くの人が認識します。

 

多くの人が「吾輩は猫である」というタイトルを聴けば、その内容を大まかであってもイメージすることができますから、タイトルは書籍の内容を表わしたものである、といえます。

 

ですから、指定商品「りんご」で、その商品の品質を表す「おいしい」について商標登録が認められないのと同様に、指定商品「書籍」で、その書籍の内容(品質)を表す「吾輩は猫である」について商標登録は認められません。

 

それに、もし「吾輩は猫である」についての商標登録を認めてしまうと、著作権の権利期間が終わった後でも、商標権者だけが「吾輩は猫である」を半永久に出版等できることとなりますから、この点でも、書籍のタイトルの商標登録を認めることは妥当ではないと考えられます。

 

このように、指定商品「書籍」について商標出願をした場合に、その商標が特定の内容を有する書籍のタイトルであると、需要者(例えば、消費者)に認識されるようなものである場合には、商標登録は認められないのですが(商標法3条1項3号)、

 

もっと簡単に言うと、多くの消費者から書籍のタイトルとして認識されているものは商標登録できない、ということになります。

指定商品「書籍」で商標出願をして商標登録できる場合とは? 

では、どういったものが、指定商品「書籍」に商標出願をして登録になるのでしょうか?

 

書籍のタイトルとして使用する予定のものであっても、多くの消費者が、そのタイトルを書籍のタイトルとして認識しているようなものでなければ、商標登録が認められることがあります。

 

ただし、商標登録を認められたとしても、何でもあり、というわけにはいきません。

 

実は、指定商品「書籍」について商標登録した場合に、登録した商標と同じタイトルの書籍を他の人が販売したとしても、基本的には商標権侵害は認められないのです。

 

例えば、「朝バナナ事件」(平成21年(ワ)第657号)。

 

指定商品「書籍,ムック」等について「朝バナナ」を商標登録している原告が、「朝バナナダイエット成功のコツ40」の出版元を訴えた事件です。

 

裁判所では、「朝バナナ」の表示は、単に書籍の内容を示す題号の一部として表示したものであるにすぎないため、商標権侵害とはいえないと判断されました。

 

 

上でも書きましたが、書籍のタイトルは、商標としての役割を有するものではありませんから、商標登録された商標と同じ名前のタイトルを、第三者が使用したとしても、それは、商標の使用にあたるわけではない、と判断されます。

指定商品「書籍」で、タイトルを商標登録することの意味やメリットは?

書籍のタイトルについて、指定商品「書籍」で商標登録をしても、他社に対して商標権侵害といえないのであれば、商標登録をする意味やメリットはないのでしょうか?

 

上では、「吾輩は猫である」は商標登録できないと書きましたが、ここまで有名な書籍のタイトルでなければ商標登録されますし、実際に商標登録されているケースはあります。

 

商標登録しておくことで、書籍のタイトルとなる言葉が容易に使われてしまうことを防ぐ、一定の効果はあると思われますので、できれば、出版の際には、書籍のタイトルについて商標登録しておかれることをおすすめします。

書籍のタイトルは、指定商品「書籍」以外でも、商標登録しておいたほうがよい?

ところで、「7つの習慣」という、日本でも130万部以上、発行されている自己啓発書があります。

ご存知の方も多いのではないかと思います。

[1996年に出版された書籍「The 7 Habits of Highly Effective Peopleスティーブン・R・コヴィー氏]

 

 

「7つの習慣」について商標登録されているかを調べてみると、フランクリン コヴィー カンパニー社により、第9類、第16類、第35類、第41類など、複数の区分で商標登録がされています。

 

指定商品と指定役務を詳細に見ると、第16類には「書籍」が含まれており、その他、指定役務として第35類「経営の診断及び指導」、第41類「セミナー・講演会の企画・運営又は開催」などが含まれています。

 

フランクリン コヴィー カンパニー社は、「7つの習慣」の書籍の内容をもとに、セミナーを運営していますので、「書籍」以外の指定商品・指定役務で商標登録することで、自社のブランドを保護しています。

 

このように、書籍を軸に事業を展開していくような場合は、「書籍」以外の指定商品・指定役務で商標登録をすることが有効だといえます。

 

その他、小説の関連グッズやコラボレーション商品を指定商品として、小説のタイトルについて、商標登録をするケースなどもあります。

新聞、雑誌は、商標登録が認められる

書籍のタイトルについては、基本的には、商標登録は認められませんが、新聞や雑誌等の定期刊行物のタイトルは、商標登録できるとされています

 

新聞、雑誌は、異なる内容のものが、日刊や月刊などで、同じ名前で繰り返し発行されるため、タイトルが、商品を区別する役割を果たしていると考えられるからです。

 

その他、シリーズものの書籍も、商標登録が認められると考えられます。

 

 

例えば、「地球の歩き方」(ダイヤモンド・ビッグ社出版)という有名な本があります。

この本は、海外旅行用のガイドブックですが、国や地域ごとに1冊の本としてまとめられており、シリーズものとして、100タイトル以上が出版されています。

 

このようなシリーズものの書籍のタイトルであれば、異なる内容のものが、同じ名前で繰り返し発行されるため、商標登録は認められます。

 

実際に、「地球の歩き方」は、指定商品「双書」(同じ形式で編集されたシリーズものの書籍を意味します)で商標登録されています。

出版をする際の注意点

商標登録された商標と同じ名前のタイトルを、第三者が使用したとしても、基本的には、商標権の侵害にはならない、と考えられます。

 

とはいっても、「朝バナナ事件」のように、商標権侵害で訴えられることもあるわけです。

 

ですから、無用な争いを避けるためにも、書籍を販売される際には、そのタイトルが「書籍」や「印刷物」の分野で商標登録されていないかどうかを、確認された方がよいでしょう。

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